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解体工事での原状回復とは?費用相場や費用を抑えるコツを解説!

2024.03.28

解体工事を考える際、気になるのはその後の原状回復作業です。

建物を解体する際には、周囲の環境を保護し、撤去した部分を元の状態に戻す必要があります。

しかし、この原状回復作業にかかる費用や手続きについて不安を感じている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、解体工事での原状回復に焦点をあて事例を交えて詳しく解説をします。

さらに、費用相場や費用を抑えるコツ、よくあるトラブルについてもご紹介です。

解体工事後の原状回復について正しく理解し、費用を抑えるコツやトラブルを避けるポイントを把握してください。

解体工事での原状回復とは?

解体工事とは、建物や施設の一部または全体を撤去する作業のことです。

しかし、解体工事が完了した後、借主はその物件を借りた当初の状態に戻す必要があります。

これが原状回復工事です。

原状回復工事は、借主の責任で行われ、費用も借主が負担する必要があります。

原状回復工事の内容

原状回復工事では、以下のような作業が含まれます。

造作物の撤去

間仕切りやパーテーションなど、建物内に設けられた仕切りを撤去します。

穴の修繕

壁や天井に空いた穴を修復し、元の状態に戻します。

床材の交換

カーペットの張り替えや床材の交換など、床の修復作業が含まれます。

壁紙の張り替え

壁紙が損傷している場合は、新しい壁紙を貼り直します。

設備の撤去

電気や電話、LANの配線を撤去し、必要に応じて空調設備やその他の設備も撤去します。

清掃作業

エアコンやトイレ、給湯室、ブラインドなどのクリーニングを行います。

これらの作業を通じて、建物や施設を借りた当初の状態に戻すことが目的です。

原状回復と内装解体工事の違い

原状回復工事と内装解体工事は、一見すると似ていますが、重要な違いがあります。

内装解体工事は、建物の内部を解体して破棄する作業を指しますが、原状回復工事はその後の修繕作業が含まれます。

つまり、内装解体工事が終わった後に、壁のクロスや床の張替え、塗装、室内のクリーニング、さらには設備工事などの修繕作業が行われるのが原状回復工事の特徴です。

解体工事での原状回復は、借主が物件を借りた当初の状態に戻すための重要な作業です。

内装解体工事が完了した後に行われる原状回復工事には、さまざまな修繕作業が含まれます。

借主はこれらの作業を適切に行い、物件をオーナーに返却する責任があります。

解体工事での原状回復:原状復帰の違い

解体工事における原状回復と原状復帰には微妙ながら重要な違いがあります。

これらの用語はしばしば混同されますが、厳密に区別することが必要です。

原状回復の意味と法的義務

「原状回復」という用語は、主に賃貸借契約書や民法に基づく借主の義務として用いられます。

これは借り手が物件を借りた状態に戻すことを指します。

具体的には借り手が物件を使用する間に行った変更や修繕を借り手が退去する際に元の状態に戻すことを意味します。

原状復帰の定義と建築業界での使用

一方、「原状復帰」とは、建築業界や解体工事においてよく使用される用語です。

これは、テナントが退去する際に、職人が建物や設備を解体・撤去し、元の状態に戻す工事のことを指します。

つまり、建物や施設そのものを元の状態に戻すプロセスや行為を指します。

用語の使い分けと重要性

これらの用語の微妙な違いは、法的責任と作業の範囲に影響を与えます。

原状回復は法的な義務であり、契約書や法律に基づいています。

一方原状復帰は主に建築業界で使用され、具体的な作業内容を指します。

したがって、解体工事を行う際には契約書や関連する法律に従いつつ、原状回復と原状復帰の両方を適切に理解し実施することが重要です。

これによって借主と貸主の間の紛争を防ぎ、作業の円滑な進行を確保できます。

解体工事での原状回復:事例

解体工事における原状回復は、建物や部屋を入居前の状態に戻す重要な作業です。

以下に、実際の事例をいくつか紹介します。

テナント退去時のフルスケルトン原状回復

あるビルのテナントが退去する際、原状回復工事を行いました。

このテナントは、入居当初から設備を大幅に変更しており、フルスケルトン状態での返却が必要でした。

そのため、電気配線や給排水の配管を含む全ての設備を撤去する作業が必要であり工数がかかる工事となりました。

マンションの内装解体と設備交換

マンションの原状回復工事が行われました。

内装の一部を解体し、トイレやキッチンなどの設備を新しいものに交換する作業が含まれていました。

これにより、入居前の状態に戻すだけでなく、より使いやすい状態に改修されました。

内装解体と残置物の撤去

残置物の撤去や土間斫り、内装の解体が行われました。

ただし、フルスケルトンではなく一部の内壁が残される場合もあり、細心の注意が払われました。

これにより、入居前の状態に戻すだけでなく、建物の構造に影響を与えないよう慎重に作業が進められました。

クリーニング店原状回復工事

クリーニング店の原状回復工事では、貸主様の要望に基づき、スケルトンではなく天井壁をプラスターボードで仕上げました。

これは、建物の骨組みや基本的な構造を残しつつ、内装の一部を変更する方法です。

壁や天井の仕上げを変更することで、新たな借手が入居しやすい状態を作り出しました。

オフィス原状回復工事

オフィスの原状回復工事では、間仕切りの撤去やカーペット、天井の交換を行いました。

このような工事は、借主が利用する際に設置された設備を撤去し、元のオフィス空間を再現することを目指します。

間仕切りやカーペット、天井の交換により、新たな借手が入居する際の印象や利便性を向上できます。

スケルトン工事・内装解体の2種類

原状回復工事の方法には、スケルトン工事と内装解体の2種類があります。

スケルトン工事は建物の骨組み以外の設備を全て撤去し、建物を空容器の状態に戻す方法です。

一方、内装解体は、借主が利用する際に設置した設備のみを撤去し、基本的な構造を残したまま元の状態に戻す方法です。

工事の期間

工事の期間は、オフィスの広さや工事内容によって異なりますが、一般的には2週間から1ヶ月程度かかります。

工事の内容や規模によっては時間帯や曜日の制約が生じる場合もありますが、プロフェッショナルな解体業者との適切な計画と調整により、スムーズな工事が実現できます。

原状回復工事は、建物の所有者や管理者にとって重要なプロセスです。

入居者が退去する際には、建物を次の入居者のために適切な状態に戻すために、適切な工事が行われることが必要です。

解体工事での原状回復:費用相場

解体工事での原状回復の費用相場は、業種や業態、店舗の状態や撤去するものの数によって大きく変わります。

小規模な飲食店では1坪あたり約1.5~2.5万円、中規模な飲食店では約2~2.5万円、大規模な飲食店では約5万円が相場とされています。

さらに、原状回復の費用は、工事内容によっても異なります。

例えば、スケルトン戻しの場合には約5~10万円/坪、事務所仕様戻しの場合には約10~15万円/坪が平均的な費用とされています。

原状回復工事の費用は、単に面積だけでなく、業種の違いや同じ業種でも内装の状態や撤去する数量などによっても大きく変動します。

そのため、契約前には複数の解体業者から相見積もりを取り、納得のいく価格で契約することが重要です。

原状回復工事の費用を抑えるためには、事前にしっかりと計画を立て、必要な工事内容を明確にしておくことが重要です。

また、解体業者の信頼性や実績も確認し、安全かつ確実な工事を行ってもらうことも大切です。

解体工事での原状回復:価格を抑えるコツ

解体工事における原状回復は、所有者にとって重要な費用です。しかし、その費用を抑える方法もあります。

以下に、原状回復費用を抑えるためのコツをいくつかご紹介します。

有価物の買取を検討する

解体される建材や設備に価値がある場合、それらを買い取ってもらうことで一部の費用を補うことができます。

特に、再利用可能な建材や設備がある場合は、業者に相談してみましょう。

再使用品を増やし解体工事量を削減する

解体工事の量を減らすことで、作業費用を節約できます。

再使用可能な部品や材料をできるだけ多く取り外し、解体する範囲を最小限に抑えるようにしましょう。

指定工事業者を変更する

複数の業者に見積もりを依頼し、費用を比較することで、よりコスト効率の良い業者を選べます。

また、地域によって業者の料金に差があるため、複数の業者と交渉することが重要です。

自分で出来ることはやっておく

解体前にできる限りの作業を自分で行うことで、解体業者の作業時間を短縮し、費用を節約できます。

ただし、安全を確保するためには、専門知識や適切な設備が必要ですので、注意が必要です。

自分で施工業者を探し依頼する

解体工事だけでなく、原状回復工事も別々の業者に依頼する場合があります。

その際、複数の業者から見積もりを取り、コストと品質を比較して適切な業者を選ぶことが大切です。

解体費用の内訳を確認する

見積もりを受ける際に、解体費用の内訳を詳細に確認しましょう。

各項目の費用が適切かどうかを確認し、必要であれば交渉の余地があるかを検討しましょう。

解体工事に使える補助金や助成金を活用する

地域や物件の条件によっては、解体工事に関連する補助金や助成金が利用できる場合があります。

これらの制度を活用することで、費用を軽減できます。

物件オーナーとの話し合いを行う

原状回復工事に関する費用負担を物件オーナーと話し合うことも重要です。

物件オーナーによっては、費用の一部を負担してくれる場合もありますので、交渉してみましょう。

また、事業譲渡を検討することで、原状回復工事費用が発生しなくなる可能性もあります。物件オーナーとの交渉や、解体業者との細かな打ち合わせを通じて、費用を最適化する方法を模索してみてください。

解体工事での原状回復:トラブルを避けるコツ

解体工事における原状回復は、契約上の重要なポイントです。

しかし、このプロセスにはトラブルがつきものです。ここでは、それらのトラブルを避けるためのコツを紹介します。

立ち会いを行う

解体工事においては、業者や貸主との三者間で立ち会いを行うことが不可欠です。

これによって、契約内容や工事内容についての誤解を防げます。

一般的な解体工事の場合と同様に、原状回復工事でも事前に立ち会いを行うことで、スムーズな進行が期待できます。

要望を丁寧に伝える

原状回復工事においては、要望や期待する仕上がりについて業者に丁寧に伝えることが肝要です。

具体的な指示や写真を提供することで、誤解を避けられます。

また、要望を契約書に明記することも忘れないようにしましょう。

工期に関して打ち合わせをする

工期に関しても、業者と十分な打ち合わせを行うことが必要です。

工期の延長や変更が生じた際には、迅速に対応することでトラブルを回避できます。

また、業者とのコミュニケーションを密にし、進捗状況を把握することも重要です。

信頼できる業者を選ぶ

原状回復工事を行う際には、信頼できる業者を選ぶことが肝心です。

口コミや実績を確認し、信頼性の高い業者を選択しましょう。

大手の業者であれば、信頼性や安心感が高く、トラブルのリスクを低減できます。

近隣への配慮

解体工事は近隣住民にとっても影響があるため、近隣への配慮も重要です。

騒音や振動の制御、道路の封鎖など、周辺環境への配慮を怠らないことが大切です。

近隣住民との円滑なコミュニケーションもトラブル回避につながります。

契約書のチェック

契約書の内容を十分にチェックすることも忘れてはいけません。

契約内容や責任範囲を明確にし、細部にわたって内容を確認しましょう。

万が一のトラブルに備えて、契約書の取り交わしは慎重に行いましょう。

原状回復工事は解体工事の中でも特に慎重さが求められる作業です。

上記のコツを抑え、トラブルを未然に防ぐことが重要です。

業者との信頼関係を築きながら、円滑な工事進行を目指しましょう。

まとめ

解体工事後の原状回復にフォーカスし、不安や悩みを解消するために有効な情報を解説しました。

解体工事の際には、原状回復作業が大きなポイントとなりますが、その費用や手続きに対する不安は多くの方が抱えています。

しかし、費用相場や費用を抑えるコツ、よくあるトラブルに対する対処法をしっかり把握することで、解体工事後の原状回復に対する不安は軽減できるでしょう。

これらの情報を参考にして、解体工事計画を立てる際には自信を持って進め、スムーズな作業の実現を目指します。

解体工事後の原状回復作業はとても重要です。適切な準備と情報収集を行うことで、成功への道は開けます。

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