コラム

内装解体工事における常用単価は、建築プロジェクトにおいて必要不可欠な要素です。

けれども、常用単価については、あまり知られていないのが現状です。

しかし、この分野に携わる多くの人々が直面している共通の悩みは、その単価が一体どのようにして算出されているのか、そして適切な価格設定がどうなされるのかという点です。

建物の改装や再利用に際して、欠かすことの出来ない内装解体工事は、その費用がプロジェクト全体の予算に大きな影響を与えます。

したがって、正確な単価の理解はプロジェクトの成功に不可欠なのです。

この記事では、常用単価についても含めて、内装解体工事の単価について詳しく解説します。

理想的な価格設定を行うための有力な情報をお届けします。

内装解体工事の常用単価をまず知り、プロジェクトの予算管理や、業者選定に役立てるためのポイントをお伝えします。

内装解体工事の常用単価とは？

内装解体工事の常用単価とは、作業員が1日に働いてもらえるお金、つまり労務単価や日当のことです。

内装解体の常用単価は、5年以上の実務経験がある場合は3万円程度です。

常用契約とは、元請けと1日あたりの日当で契約するもので、日雇いのアルバイトのようなイメージです。

常用契約とは、元請けと1日いくらで契約することです。

たとえば「1日あたり18,000円の日当」で契約するイメージで、日雇いのアルバイトのような契約となります。

常用契約では、元請けの指示に従って現場で働くことになりますが、経費は元請け持ちになります。

公共工事設計労務単価

公共工事設計労務単価は、公共工事の工事費の積算に用いるためのものです。

所定労働時間内８時間当たりの単価になります。公共工事の積算に用いられているため、常用単価としての基準になります。

内装工の労務単価は東京都で31,300円です。

内装解体工事の常用単価としての基準となります。

内装解体工事の常用単価は、工事内容や地域によって異なりますが、一般的には作業員の技術や経験、労働時間などが考慮されて決定されます。

これには作業員の賃金だけでなく、労働条件や安全対策の費用も含まれます。

したがって、内装解体工事の常用単価は、業界標準や地域の需要と供給に基づいて決定されています。

つまり、常に変動する可能性があります。

建設業界で働く方々にとっては、この常用単価を正確に把握し、適切に計画することが重要となります。

内装解体工事の常用単価から算出すると、1か月の賃金は約50万円、一ヶ月の労働日数は約19.8日です。

また、5年以上の実務経験がある場合は、常用単価が３万円程度で算出される場合が多いです。

参照元：国土交通省「公共工事設計労務単価について」

内装解体工事の常用単価と雇われの単価の違い

内装解体工事の常用単価と雇われの単価には大きな違いがあります。

一人親方は自身の能力や交渉次第で収入を増やすことができますが、雇われている労働者は会社が定めた給与を受け取るのみであり、自己裁量が制限されます。

一人親方の常用単価

一人親方の場合、請負金額は2万～3万円程度が相場です。

しかし、これには国民健康保険や年金保険、労災保険などの負担も含まれるため、実質的な収入はそれよりも低くなります。

一人親方は交渉によって単価を変更でき、能力や経験に応じて収入を増やすことが可能です。

雇われ労働者の単価

一方、雇われている場合は、経験や能力に関係なく会社が定めた額以上の日当を受け取ることはありません。

また、仕事の選択権や自己裁量が制限され、会社の指示に従う必要があります。

自らの能力や経験に応じた報酬を得ることは難しいでしょう。

内装解体工事における常用単価と雇われ労働者の単価の違いは、個々の立場や契約形態によって異なりますが、一人親方と雇われ労働者との間には大きな収入格差が存在することを理解することが重要です。

内装解体工事の単価はどう決まる？

内装解体工事の単価は、様々な要素によって複雑に影響を受けます。

これらの要素を考慮することで、適切な価格設定が行われます。

人件費に関して

地域ごとの人件費や諸経費が価格設定に影響を与えます。

都市部と地方では人件費に大きな差がありますし、消耗品や交通費などの諸経費も異なります。

なお、内装工の労務単価(所定労働時間内８時間当たりの単価)は東京都で31,300円が基準になります。

これらの費用は、工事の円滑な進行や作業員の給与に直結するため、十分な配慮が必要です。

人手不足や社会保険加入の影響で人件費は高騰しています。

人件費の高騰

人件費の高騰が続いています。

国土交通省が公表した2024年3月の公共工事設計労務単価は12年連続で引き上げられました。

2023年に比べて5.9％も上昇しています。

労働市場の実態を反映し、時間外労働の規制に対応する必要経費も考慮しています。

なお、公共工事設計労務単価は労働者本人の受け取り額であり、事業主が負担すべき必要経費は含まれていません。

物件の面積と設備

解体する物件の面積や内部の設備が重要な要素になります。

広大な物件や特殊な設備がある場合、解体作業の規模や難易度が増します。

このような場合、より多くの作業員や専門的な技術が必要となり、それに伴い費用も増加します。

物件の特性と作業の難易度

物件の特性や作業の難易度も価格に影響を与えます。

例えば、狭いスペースや複雑な構造の物件では、解体作業がより時間と手間を要するため、それに応じて価格も高くなります。

また、解体する材料の種類や安全上の配慮も必要です。

内装解体工事の単価は、物件の面積や設備、地域の人件費や諸経費、そして作業の難易度など多くの要素によって決まります。

一般的な目安としては、一般住宅の場合は坪単価が1.5万円から4.5万円程度、店舗の場合は坪単価が1.5万円から4万円程度、マンションの場合は、坪単価が1.5万円から3万円程度が目安とされています。

ただし、これらはあくまで目安であり、物件の具体的な状況や要件に応じて価格は変動します。

また、人件費が高騰しているので、坪単価にも大きく影響しています。

内装解体工事を依頼する際には、これらの要素を十分に考慮し、信頼できる業者との十分な相談が重要です。

内装解体業者を選ぶポイント

内装解体業者を選ぶ際には、慎重な検討が必要です。

信頼できる業者を見極めるためには、以下のポイントに注目しましょう。

豊富な経験と技術力が不可欠

経験豊富で技術力の高い業者を選ぶことが肝要です。

解体作業は専門知識とスキルを要するため、確かな実績がある業者を選ぶことが重要です。

過去のプロジェクトや実績を確認し、業界での信頼性を確かめましょう。

地域評価と口コミの確認が必須

地域に密着した評価や口コミを確認しましょう。

地元で信頼されている業者は、その地域のニーズを理解している可能性が高く、安心して依頼できます。

インターネットやSNS、口コミサイトなどを活用して、実際の利用者の声を確認しましょう。

具体的な解体プランの提案が重要

解体プランに関する詳細な提案があるかどうかも重要です。

壊す部分と壊さない部分の明確な打ち合わせができる業者を選ぶことで、作業の円滑化が図れます。

提案された解体プランが具体的であり、期待される結果に対する明確なビジョンを持っているかを確認しましょう。

共用部への配慮が必要

騒音や振動、ゴミの飛散など、共用部への配慮ができるかどうかも重要です。

近隣住民や共同住宅の住人に迷惑をかけないよう配慮が行き届いているかを確認しましょう。

周辺の環境や利用者への配慮がプランや作業現場で具体的に考慮されているかを確認しましょう。

見積書の詳細性と廃棄物処理の適正性

見積書には細かい部分まで記載されているかを確認しましょう。

また、廃棄物の正しい処分が行われているかどうかも重要になります。

マニフェストの発行や適切な廃棄物処理を行う業者を選びましょう。

見積書の内容が十分に明瞭であり、費用の内訳や追加料金に関する条件が明確であることを確認しましょう。

必要な許可や免許を有しているか

解体工事には建設業許可証や解体工事業登録が必要になります。

適切な免許や許可を有しているかどうかを確認し、違法な行為を行わない業者を選びましょう。

また、損害賠償保険に加入しているかどうかも重要です。

許可や保険に関する書類を確認し、法令遵守を徹底している業者を選びましょう。

これらのポイントをしっかりと押さえることで、信頼できる内装解体業者を選ぶことができます。

安全かつ円滑な解体工事の実現に向けて、慎重な検討を行いましょう。

まとめ

この記事を通じて、内装解体工事の常用単価に関する理解を深めていただけたことと思います。

内装解体工事の単価がどのように算出され、適切な価格設定が行われるのかを詳細に説明しました。

内装解体工事の常用単価は、人件費が高騰しているため、変動する要素があることを理解しておく必要があり、最新の情報を把握することも大切です。

建設業界は常に変化しており、市場動向や法規制の変更などが価格に影響を与える場合があります。

これらの知識を活用することで、内装解体工事の予算管理や業者選定において、より自信を持って行動ができるでしょう。

内装解体工事の常用単価も含めて、単価の算出方法や価格設定に関する情報を活用し、プロジェクトの成功につなげていただければ幸いです。